ISBN:4062120658 単行本 あさの あつこ 講談社 10/2003 ¥950
多少高くても、琴線に触れた児童書は迷わず買ってしまう。
というわけで、この本もその「迷わず買っ」てしまった無駄遣いの
好例なワケです。青い鳥文庫からひとつ上の世代に向けて出した、
講談社の新文庫シリーズらしいんですが、その割には値段が張りました。
青い鳥文庫の上ということは、通常の講談社文庫に移行するより下。
およそ小学校高学年〜中学生、多少高校に食い込むくらいでしょうか。
同文庫からは講談社・マガジン連載の「ゲットバッカーズ」の原作者も
本を出していて、挿絵も「ゲトバ」の人なんですが、やっぱりその辺
意識して売っているのかも知れません。
実際には900円の空想小説1冊と400円の漫画2冊、普通の小中学生だったら
迷わず後者を選ぶと思うが。何考えてんだ講談社。
さて、この本は───…
「うわぁ児童書コーナーにゲトバがいる(違」というので棚に近づき、
平積みにされているその横にちんまりと立て詰めにされていたのを
引っ張り出したというのが初めての出会いでした。
いや、だってこのタイトルの短さ。って言うか記号じゃねーか。
ここまで意味の無いタイトルというのも、児童書には珍しいのです。
……で、冒頭の2ページで引き込まれて買ってしまいました。
ざっとあおりや帯や、カバー下を見て、「うん、世界観が好みっぽい」。
あとがきや著者近影をチェックして、イヤミがないかを確認
(あとがきに作者本人の嫌な人っぷりが溢れた本というのは存在する)。
続いて書き出しの文章が「上手いなぁ」〜「抵抗なく読める」の間に
位置すると判断すると、大抵の場合迷わず購入します。
で、買ってみた。
二巻まで出てるので一気買い。
失費2000円。
それだけの価値はあるかな。
面白い。
面白いけど……
…………言っていいだろうか。
ホモくさい。
と思いました。
最初は普通の友情冒険活劇風だったんですが、言葉の端々がそれっぽく……
しかしあくまでも児童書、ストーリーは巻き起こる事件と身辺の変化の
中での主人公の心情が文章の核ですから、どちらとも判断がつきません。
作者は狙ってんのか天然なのか……
いまどき「紫苑」って名前使うの、相当勇気要るよな……
いや、でもそれだったら「ネズミ」はないだろう……(ぶつぶつ
結局「なんかそれっぽいニオイもするけど、普通に楽しい児童書」
という評価を下すに至りました。
そして翌日、別の書店にて。
BLコーナーに平積みされているのを発見した俺の心情を、80字以内に
まとめなさい。 (10点)
そこまで行って、ようやく思い出しましたよ。
作者の「あさのあつこ」さん、「探偵蘭」シリーズも齧ったりしたなぁ。
という淡い幼少の思い出はさておき……
児童書作家にして、少年を革鞭(いや、実際はベルトだったと思うが)で
ビシバシしばくというシーンを作中に挿入した、ある意味神。
肝据わりすぎ。何故編集者は止めなかったのか。
ゲトバがマガジン紙上で正々堂々、見開きページでキャー!を
やらかした時には正直「うわぁ……」と思ったものだけれど、すまねぇ、
俺、講談社編集部をナメてたよ……強すぎるよ講談社_| ̄|○
しかしこの話、そこを抜きにすれば好みです。
坊ちゃん育ちの紫苑様(ああっ、この名前にはつい無意識に「様」が!)も
前向きでハングリー精神に溢れてますし、この手のキャラクターとしては
珍しいのではないでしょうか、こういう性格付け。
これでネズミにべったり依存のヒモ、否むしろヒロイン状態でなければ
最高に格好良かったんですがね(’A`)姫かお前は。
そして本の虫で野生児で人殺しで紫苑の恩人という、なんか素敵過ぎる
設定のネズミさん。っていうか人物名「ネズミ」っていうのがすごく
引っかかりつつ、彼の本名がストーリーの要であるのかどうか。
とりあえず色気の欠片もねー名前だな(違
いや、格好いいです。この人格好いいです。
生きるため「だけ」に目をギラギラさせてるようなキャラクターって、
大抵は「1.敵として現れる」「2.味方の変わり果てた姿」なんですよね。
ちなみに1の場合、状況が安定すると寝返ってくることも多々ありますが。
自分が危なくなったら一気に切って捨てる、と公言し、事実自分のことを
最優先にしている、そんな放任主義なネズミさんは格好いいと思うのです。
友情とも馴れ合いとも違う、奇妙な共存関係。
それがただのホモ小説に成り下がってみろ、俺は泣く。
二巻の時点ではまだ、おっけーです。大丈夫です。
「紫苑、それは食われててもおかしくないぞ」と思うシーンを多々
挟みつつも、それは俺の脳が腐ってるからさ★と自己暗示をかけて
誤魔化せなくはない範囲です。
頑張れあさの先生。頼むあさの先生。これ以上暴走しないでくれ。
多少高くても、琴線に触れた児童書は迷わず買ってしまう。
というわけで、この本もその「迷わず買っ」てしまった無駄遣いの
好例なワケです。青い鳥文庫からひとつ上の世代に向けて出した、
講談社の新文庫シリーズらしいんですが、その割には値段が張りました。
青い鳥文庫の上ということは、通常の講談社文庫に移行するより下。
およそ小学校高学年〜中学生、多少高校に食い込むくらいでしょうか。
同文庫からは講談社・マガジン連載の「ゲットバッカーズ」の原作者も
本を出していて、挿絵も「ゲトバ」の人なんですが、やっぱりその辺
意識して売っているのかも知れません。
実際には900円の空想小説1冊と400円の漫画2冊、普通の小中学生だったら
迷わず後者を選ぶと思うが。何考えてんだ講談社。
さて、この本は───…
「うわぁ児童書コーナーにゲトバがいる(違」というので棚に近づき、
平積みにされているその横にちんまりと立て詰めにされていたのを
引っ張り出したというのが初めての出会いでした。
いや、だってこのタイトルの短さ。って言うか記号じゃねーか。
ここまで意味の無いタイトルというのも、児童書には珍しいのです。
……で、冒頭の2ページで引き込まれて買ってしまいました。
ざっとあおりや帯や、カバー下を見て、「うん、世界観が好みっぽい」。
あとがきや著者近影をチェックして、イヤミがないかを確認
(あとがきに作者本人の嫌な人っぷりが溢れた本というのは存在する)。
続いて書き出しの文章が「上手いなぁ」〜「抵抗なく読める」の間に
位置すると判断すると、大抵の場合迷わず購入します。
で、買ってみた。
二巻まで出てるので一気買い。
失費2000円。
それだけの価値はあるかな。
面白い。
面白いけど……
…………言っていいだろうか。
ホモくさい。
と思いました。
最初は普通の友情冒険活劇風だったんですが、言葉の端々がそれっぽく……
しかしあくまでも児童書、ストーリーは巻き起こる事件と身辺の変化の
中での主人公の心情が文章の核ですから、どちらとも判断がつきません。
作者は狙ってんのか天然なのか……
いまどき「紫苑」って名前使うの、相当勇気要るよな……
いや、でもそれだったら「ネズミ」はないだろう……(ぶつぶつ
結局「なんかそれっぽいニオイもするけど、普通に楽しい児童書」
という評価を下すに至りました。
そして翌日、別の書店にて。
BLコーナーに平積みされているのを発見した俺の心情を、80字以内に
まとめなさい。 (10点)
そこまで行って、ようやく思い出しましたよ。
作者の「あさのあつこ」さん、「探偵蘭」シリーズも齧ったりしたなぁ。
という淡い幼少の思い出はさておき……
児童書作家にして、少年を革鞭(いや、実際はベルトだったと思うが)で
ビシバシしばくというシーンを作中に挿入した、ある意味神。
肝据わりすぎ。何故編集者は止めなかったのか。
ゲトバがマガジン紙上で正々堂々、見開きページでキャー!を
やらかした時には正直「うわぁ……」と思ったものだけれど、すまねぇ、
俺、講談社編集部をナメてたよ……強すぎるよ講談社_| ̄|○
しかしこの話、そこを抜きにすれば好みです。
坊ちゃん育ちの紫苑様(ああっ、この名前にはつい無意識に「様」が!)も
前向きでハングリー精神に溢れてますし、この手のキャラクターとしては
珍しいのではないでしょうか、こういう性格付け。
これでネズミにべったり依存のヒモ、否むしろヒロイン状態でなければ
最高に格好良かったんですがね(’A`)姫かお前は。
そして本の虫で野生児で人殺しで紫苑の恩人という、なんか素敵過ぎる
設定のネズミさん。っていうか人物名「ネズミ」っていうのがすごく
引っかかりつつ、彼の本名がストーリーの要であるのかどうか。
とりあえず色気の欠片もねー名前だな(違
いや、格好いいです。この人格好いいです。
生きるため「だけ」に目をギラギラさせてるようなキャラクターって、
大抵は「1.敵として現れる」「2.味方の変わり果てた姿」なんですよね。
ちなみに1の場合、状況が安定すると寝返ってくることも多々ありますが。
自分が危なくなったら一気に切って捨てる、と公言し、事実自分のことを
最優先にしている、そんな放任主義なネズミさんは格好いいと思うのです。
友情とも馴れ合いとも違う、奇妙な共存関係。
それがただのホモ小説に成り下がってみろ、俺は泣く。
二巻の時点ではまだ、おっけーです。大丈夫です。
「紫苑、それは食われててもおかしくないぞ」と思うシーンを多々
挟みつつも、それは俺の脳が腐ってるからさ★と自己暗示をかけて
誤魔化せなくはない範囲です。
頑張れあさの先生。頼むあさの先生。これ以上暴走しないでくれ。
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