はてしない物語

2004年4月21日 読書
ISBN:4001109816 単行本 佐藤 真理子
岩波書店 1982/06 ¥3,003

帰宅してから時間があったので、本棚の整理をしていたら、
この本が出てきてビックリした今日この頃の話。

うちの本棚、奥行きがやたらあるから本が二列に並んでるんですよ。
で、一番下の奥から順番に詰めていったんです。買った順にね。

つまり一番下の一番奥というのは、本棚を買ったばかりの頃、
小学2年生の頃に買ってもらった本が詰まっているので……
大半はまだ絵本の次元の本だったため、放置してきたのです。

まさかこんな所に……っていうか、まさかウチにあったとは。
図書館で借りて読んだものとばかり思ってました。ハードカバー版の
重いのを、苦労してひざに抱えあげながら読んでいた覚えがあるので……
ハードカバー版が自宅の本棚にあるとは夢にも思わなかったし。

(ちなみに新刊でハードカバー版「はてしない物語」を買うと、
 ……値段は上記の通り。異様に高価です。
 いや、装丁が布張り・二色刷りと豪華なせいなんですけどね。

残っていた値札は古本屋で1000円、それでもなかなかいい値段です。
よくもまぁ、親が買ってくれたものだと感心してしまいました。

前の持ち主はどんな扱い方をしていたのか、液体の染みやら日焼けやらが
相当酷い状態ですが、それより「我が家にあった!」という事実が
嬉しいやら損した気分になるやら……

 

高価だけど新品をもう一冊買おうかな、文庫版も一緒に……などと
真剣に検討するほどのハマりっぷりです。現在進行形。

 

なんで小学生の時、一度読んだきりで本棚に封印しちゃったのか。

書いてあることが難しすぎてよく分からなかったのもあるだろうけど、
よく思い起こすと、直後に「指輪物語」に手を付けたような気がします。
その長さと登場人物の多さ、ドラマに流されて、「はてしない物語」の
イメージがすっかり薄れてしまったのかも知れません。

 

あと、これは完全に読み返し終わってから思い出したことですが、
当時の俺はこの物語の終わり方がとても嫌いだったんですよω・`)

主人公のバスチアンが、本の中の国ファンタージエンから現実に戻るには、
彼がファンタージエンで始めた物語の全てを終わらせなくちゃいけない、
というエピソードが最後の最後にあるんですが。

 

(古典って呼んでも問題ないレベルの児童書なので、ガンガンネタバレです。

 

でも、彼が始めてしまった物語は本当に数が多く、収拾がつかなく
なっていたので、全てに決着をつけてから帰ろうとしたなら恐ろしい
時間がかかってしまいます。とてもじゃないけど帰れません。

そこで物語の続き、結末までを引き受けようと申し出たのが、
ファンタージエンの住人でありバスチアンの親友、アトレーユ。
彼がバスチアンの代わりに物語を最後まで紡ぎ、見届ける責任を果たすから、
と申し出たことで、バスチアンは現実に帰れることになったのでした。

 

これって何だか、寂しいラストだと思いませんか?
今まで自分のこととして進めてきた物語を、結局は
物語の世界の住人に託し、現実に戻ってくる主人公。

初めて読んだ時、「夢は夢の住人だけが見ていればいいの」と
言われたようで、とても不愉快だったことを思い出しました。

 

そうそう、それでこの本、必死に読みふけっていたのに最後の最後で
嫌いになって……

至:封印(今思えば、なんてもったいない)。

 

バスチアンは結局、現実に戻ってからは作家という限りなく現実的(?)な
職業に収まり、ごくごく普通(?/少なくとも「ただの人間」)としての
人生を送っていったようで、そのエピソードも好きではありませんでした。

「空想好きでも、作家になれるくらいのレベルじゃなきゃ意味ないんだよ」と
言われたようで、空想好きーな子供としては非常にガッカリしたんですね。
当時から「空想は好きだけど、俺の器では作家にはなれまい」という
自覚(だか過小評価だか単なる謙遜と尊敬だか)はあったので、
グサッと来てしまったんですよ。

いや、むしろこれは今でもガッカリ来てます_| ̄|○|||
文章力? おりじなりてぃ? 創造性? 何それ食べられるの?

…………(つд`)

 

でもやっぱり、好きだなぁ。児童書。

今までエンデは、「鏡の中の鏡」が一番インパクト強くて、
「モモ」はいまいち共感できる部分が少なくてと、非常に微妙な
評価を下していたんですが……

現在はてしないループにはまっております。
最後まで読んでまた頭から、を繰り返してます。

昔読んだ本を順に読み返してみよう、すぐ終わるだろし、なんて
つい先日(昨日か?)書いた気がしますが、この一冊で一ヶ月は
行けるように思えてきました……否むしろ行くだろう。

一日三食で朝ごはんはパンなので、ご飯60杯は行ける!という計算に。

 

あ、あ、でも他にも読みたい本が、読みたいのがぁあ……!と叫びつつ、
関連図書とか劇場版DVDとか買ってたら数ヶ月は他の本(も漫画も)
買えない身になってしまいそうなので、金策を考える今日この頃です。

 

うん、劇場版、見る気なかったんですけどね。

先輩が「3だけは見ろ!」って言うんですよ。

1は文庫版上巻、2は下巻、3はオリジナルのシナリオで、計3作出ています。

この3作目のオリジナル、「オリジナルと言うよりパロディ」らしく、
「ファンタージエンの住人がリアルで大暴れ★ファンタジック・パニックコメディ」
とか紹介されたら、もう見たくて仕方なくなって来ました。

って言うか現代版アトレーユが気になって(ぇ

いや、アトレーユは出てこないらしいんですけどね……
出てきてたらさぞや面白かろうと想像しつつ見るのも楽しいかなーと。

バスチアンがいじめられてたら、そこらのバイクを盗んできて
助け出すとかやりそうです。それも素で。

つーか「アトレーユが出てこない」ってことは他は出るのか。
誰が出るんだ誰が! バスチアン、それ収拾つけられるのか?!
と、疑問の種は尽きず、少なくとも笑えること間違いなし。

 

見るぞー、誰が何と言おうと見るぞー、て言うか買っちゃうぞー、
ROの課金やめたからお金はあるんだよアハハハハハハハ(ウツロ

 

今度は俺が、至:封印 にされたい。

好きな本ー、と考えたら全部児童書で、しかも80年代以前の
作品ばかりだというこの事実に気付いてしまったので、
そろそろ一般人っぽい本も読もうと思います。

 

何かいいファンタジー、ないかなぁ(駄)。



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