門扉の上に、小枝があった。

何じゃゴミか、払い落とそう、そう思ったらナナフシだった。

枯れ枝に擬態して暮らす蟷螂の一種。

野生のものを、生で見るのは初めてだ。
こんな季節に活動するのか、蟷螂なのに。

僕はやっぱり、そいつを門扉の上から追い出したけれども、
落として踏みつける代わりに木蓮の枝に載せておいた。

 

そこに「在る」と思っていたものが、僕の意識の中で命を得、
そこに「居る」ことを知る。

「居る」と分かって初めて、僕はそいつに敬意を払うことができる。

なんだろう、違和感があるな。滝野ですコンバンハ。

しばらく「うーん」と首をひねっていたけれど、あぁそうか、
きっとそんなことで感動できる時点で手遅れだ、と思った。

 

あと、普通の女性はナナフシ見て目を輝かせたりなんかしない。
さながら初恋の少年のように胸ときめかせて手を差し出したりなんかしない。
用事がなければケージに入れて半日くらい擬態の様を観察したいとか
間違っても考えない。

ていうか、虫に敬意払ってる時点で駄目だろう。なんか人として。

僕の中での無意識下の生物的高等度は、

プラナリア>ヒト>ナナフシ>>>(越えられない壁)>>>僕

こんな感じになっているのかも知れないと思った今日この頃。

……僕のことは馬鹿にしてもいいけど、プラナリア馬鹿にすんなよ?

コメント

nophoto
みぃ
2007年2月17日14:47

ナナフシってみると感動するよね。
高校のときに行き道でみつけて写メってた覚えがあります。

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