観て来ました、映画版「ダレン・シャン」。

僕「字幕版の上映っていつまでだったんですか?」
係「昨日までです、申し訳ございません」

というわけでアリスを呪いながら吹き替えでの鑑賞ですよ。

でも吹き替えだと画面内の好きな場所を見ることが出来たり、ガヤの台詞も
聞き取れたりして、それはそれで結構好きだったりします。
声優勢も手堅い布陣だったし、良いお仕事しておられました。
観てみるまでコレの当たり外れが分からんのが難点だよな。

オープニングムービーの出来の素晴らしさと、マダム・オクタとエブラの愛嬌は
ガチだったと思う。滝野ですコンバンハ。

 

全12巻の原作を三部作の映画に収めるというので、シナリオとか設定の細部は
統合されたり省かれたり説明されなかったり、覚悟していたけど結構凹みました。
予備知識のない人には「え、今の何?」っていうシーンも多かったんじゃないかなぁ。

ダレンとスティーブの関係とか、行動の動機も今一つ説明不足な印象だったし。
ハーキャットは原作では凄く重要な役回りのはずなんですけど、その割には扱いが
酷かったです。設定的に、「どう転んでも原作通りの役にはならねーな」という。
それを言ったらスティーブだってエブラだって、そもそも主人公のダレンが
高校生という時点で、「あっ原作とは全然違うモノなんだ」なんですけど。

あと、照明効果があんまり上手じゃなくて勿体ない感じでした。
せっかくのダークファンタジーなんだから、そのファクター活かそうぜ。

キャストもな……スティーブの身長とガブナーの線の細さは正直微妙な心境になりました。

衣装は「主人公が黒髪」という地味設定のためか赤いジャケットを着ていたんですが、
おそらく配色が被るからという理由でクレプスリーの緋色のコート設定が削除。
ということは、第二部・第三部でもこのシーンやあのエピソードが削られる可能性が
高いということで……ああああぁあこればっかりは大好きな設定だったので許し難い。

 

結局「原作に対する再現度」という観点に立てば、漫画版に軍配が上がりそうです。
映画版ではシナリオや設定を完全に分解・再構築しちゃってるので……
漫画版はキャラクターデザインも自分の中のイメージにとても近かったし。

ただ、漫画はやっぱり絵柄に対する好き嫌いがあるのと、掲載誌が少年誌ということで
ショッキングな表現にブレーキがかかっているので、そういう点では動く映像というのは
やはり強力だなと思いました。

全年齢対象映画(原作が児童書だからね)なんですが、「コレ子供に見せていいの?」な
グロテスクな表現もあったり、バンパイアの「爪」を武器にした徒手格闘シーンなんかは
力が入っていたと思います。

特にアクションは、漫画では「紙幅の制限」というハードルのせいで省かれてしまった、
だけど「ダレン・シャン」という作品の中ではとても大きな位置を占める要素です。
ファンなら観ておいて損はないはず。

でもキャスト表示が「クレプスリー→スティーブ→ダレン」の順番だったことには
ツッコミを入れておきたい。何故主人公が三番目だし。

 

結論:日本語ハードカバー版のイラストレーションが最強

 

インタビューか何かで、原作者さんが「各国語版の装丁の中で日本語版が一番好きだ」と
おっしゃっていた記憶があります。
挿絵は一切なしで、見開きの口絵としてイメージイラストが一枚あるだけ。
でもその一枚が、毎回素晴らしいんだ。

うん、日本の本っていいよね。
コミックスでさえカバーを掛けて帯を付けて、その上から更に書店のブックカバーを掛けて
大切に保護するとか、よその国では考えられないらしいです。

映画の帰り際に本屋に寄ったら漫画版の作者さんが新作を出しておられたので、
うっかり買ってカバー掛けてもらって電車の中で読んじゃった今日この頃。
舞台がイギリスのロンドンとか、何これ燃え過ぎるんですけど。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年5月  >>
27282930123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

お気に入り日記の更新

最新のコメント

日記内を検索